アルパカの頭は大きくないの

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気づけばアルパカが注目される季節がやってきたのね。
一昔前、ミラバケッソとかいうCMで爆発的な人気を得たアルパカ…だけど本物はあんなにキレイなモフモフじゃないのよ。あれはテレビ用のアルパカで、普段はシャンプーして手入れしてるのよ。

かわいい生き物として注目されがちなアルパカ。だけど本当は…

アルパカの頭は大きくないの!

アルパカは南米のアンデス山脈という場所で暮らしている生き物。
お山のたかーい所にいるから寒さに耐えられるようモフモフしているのね。ペルー人はそんなアルパカの毛を利用して、自分たちの生活の糧にしてきたの。なんと現地人はアルパカの肉も食べるらしいわよ。おいしいかどうかは謎だけど。

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アルパカがニコッと口を開けるときに見える下の歯。これは伸び続ける歯なの。だから観光牧場や動物園なんかで飼育されてるアルパカは、飼育員さんが定期的に切ってあげてるのよ。
切ってあげてる上から目線だけど、アルパカからしたら恐怖以外の何物でもないの。だって両足を固定されて、動けなくされた上に無理やり口を開かされて、ニッパー或いは電動カッターでバチーン切っちゃうんだから。
だけど歯が伸び続けたら餌が食べにくくなっちゃうし、口の中の病気にもなっちゃうかもしれないからね。切らないとダメなの。

ちなみにアルパカには牙があるのよ。普段はお目にかかれないほど口の奥の方に隠れてるんだけど、この牙も伸びるの。アルパカ同士がケンカした時に、牙で相手を傷つけてしまうことがあるから、もちろん牙もバチーン切っちゃうの。
あんなにおっとりしたアルパカでもケンカをするの?ですって!?
それはもう激しい時は飼育員でも止められないほどのケンカをするのよ。相手の首だの耳だの足先だの弱い所に噛みついて、相手が倒れたと思ったら上に乗っかって!
アルパカにも上下関係があるのね。

 

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下の歯があるなら上もあるだろって思われがちだけど、上は硬い歯ぐきになってて前歯はないのよ。アルパカは草食動物だから、葉っぱを歯ぐきですりつぶして食べるのね。
だけどさっき言っていた牙は上の方にあるわけ。飼育員さんは大変よ。

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アルパカがもしサバンナにいたとしたら、間違いなく捕食される側の立ち位置。
牙はもっているけど、トラやライオンの鋭い歯と比べたらかないっこないのよ。だから基本的に、天敵と遭遇したら逃げるしかないの。
アルパカが唯一抵抗できるとしたら、胃の奥底から吐き出すツバ攻撃かしら。
よくアルパカを飼育している場所では「ツバにご用心」なんて張り紙があるけど、ただのツバじゃないの。とっても臭いの。一度クサ~イツバをダイレクトに浴びたらね、戦意喪失よ。すべてのやる気が失われる。子供は泣きだす。だけどアルパカがツバを吐いてくるってことは、傍に来てほしくないってことなのよ。自分を守るための術なのよ。だから間違っても飼育員さんやアルパカにクレームを入れることはしないでね。運が悪かった。そう思うしかないのよ。

他にもツバを吐くことで有名な動物がいるわね。
そう、ラクダよ。アルパカはラクダの仲間なの。

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これはラマよ。違いがわかるかしら。ラマもアルパカと同じ仲間ね。

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そうそう、歯が伸びるって話をしたけど、足の爪も伸びるわよ。
ほっておくと巻爪になって歩きづらくなっちゃうの。だからこれも切ってあげるのよ。
熟練した飼育員になれば、アルパカの両足を紐で固定することなく立った状態で保定して爪を切るんだけど、油断してると後ろ足で蹴り上げて来るから要注意!

何気に蹴り技も隠し持ってるのがアルパカよ。

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ラマよ。

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ところでアルパカの頭は大きくないって話をしたけど、大きく見えるのは全部毛のせいなの。アルパカの毛は刈らないとずっと伸び続ける毛だから放置してると地面についちゃうくらいなのよ。涼しいところならいいけど、日本の夏の暑さは耐えがたし。だから真夏が来る前に毛を刈ってあげる必要があるのね。
もし刈らなかったらどうなるかって?熱中症になるのよ。最悪死んじゃう子もいる。毛刈りはアルパカの健康を保つために欠かせないのね。

だけどあちこちで目撃するアルパカのほとんどが、頭の毛だけを残して毛刈りをされてる。頭でっかちで、体はほっそり。その姿がとても間抜けでユニークだって、よく笑いものにされるんだけど、あれは何でなのかって言ったら極論

頭の毛まで刈る必要がない

ってことなのよ。
熱さをしのぐためには全身の毛を刈れば事足りるから、頭まではやらずとも良いの。
なにせ大きなバリカンを使って刈るし、頭の毛を全部刈るにはだいぶ技術がいるわ。それに毛刈りっていうのはアルパカにとってとてもストレスがかかる作業。そりゃー拘束された状態でバリカンの音が響いてたら誰しも恐怖を覚えるでしょう。だから飼育員さんはね、なるべくアルパカに負担がかかる時間を短くしたいと思ってるの。
別にオシャレで毛刈りをするわけじゃないから、体が涼しくなったらそれでいいのよ。
あとこれは聞いた話だけど、全部丸刈りにしちゃったら何の動物だかわからなくなるからって理由もあるらしいわ。アルパカらしさを残しているらしいわよ。頭に。

暑さが苦手なアルパカ。実は毛を刈った後でも暑い時は暑いのよ。だから水浴びをさせてあげるところもあるのよ。多分アルパカサイズのプールがあったら飛び込んじゃうと思う。泳げるかどうかはわからないけど。

 

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暑さに弱いアルパカ。それでもわざと日が当たるように地面に転がっていたりもする。日向ぼっこも好きなのよ。春の陽気だけでなく真夏の炎天下であってもよ。本当に暑さが苦手なのか疑わしくなるくらいだわ!

 

アルパカってなかなか可愛いだけじゃない動物よ。あのモフモフした姿だけを見たらなんだかあまーい匂いが漂ってるような気がするけど、実際は結構香ばしい臭いを放っているからね。

アルパカに会ったら可愛い見た目だけじゃなくて、いろんなところに注目してほしいわね!

だけど無理やり近づいていけばクッサイツバの洗礼を受けるかも。一度体験してみるのもオススメよ。なかなか臭いは消えないけどね!