【警備業】はじめての警備員編(1)
買い物依存症を発症したのが2017年の夏頃。当時はライターという副業を始めたこともあって、何とかなるだろうと呑気に構えていた。
かわいい服を見つけたら、いつもニコニコカード払い。そして気づけば借入総額80万円。
あれ…これはマズイな…。
ようやく目を覚ました私は、この借金を返済すべく仕事を求めた。
条件としては、
- 寮費がタダ
- 地元から離れた県外
- 高収入
- 短期
であること。
そうして見つけ出したのが、全く未知の世界・・・
警備業!
警備業への挑戦
警備業というと、どんな仕事を思い浮かべるでしょう。
私が真っ先に想像したのは、真夏の炎天下で真っ黒に日焼けしたオジサンがだるそうに棒を振っている光景。
ある人は言う。
「警備業は底辺」だと。
私が警備をやろうと思っていることを知人に話したら、やはり同じようなイメージを持っていたようで、誰もが良い顔をしませんでした。
インディードしてみれば、警備業の求人はわんさと溢れ返っているじゃありませんか。
牧場に引き続き、この警備業とやらも万年人手不足のご様子。
炎天下であっても寒波が押し寄せる日であっても、ひたすら道路に立ち続ける人たち。
そんな想像をしていれば、成り手がいないという現状もうなずけます。
それなのに何故警備業を選んだかと言ったら、私の設けた条件とぴったり合致する案件を見つけてしまったから。
寮費がタダで、県外で、高収入で、期間も2か月程度。
辛い仕事でも短期ならば頑張れるのではないかと、一念発起していざ応募。
そこで待ち受けていたのは、想像とは全く別の世界でした。
女性の応募は珍しい
求人サイトから応募した後で、警備会社から電話がかかってきました。
説明されたのは、仕事内容と警備業をやるにあたっての確認事項。
警備業は誰でもできるわけじゃなく、前科がないかどうか、暴力団と関係がないかどうか、アルコール中毒じゃないかどうかーなど、いくつかの条件に当てはまらないことが前提になるそうです。
実際は法務局に行って登記されていないことの証明だったり、病院へ行って麻薬やアル中じゃないことの診断書を書いてもらう必要があったりするのですが、電話では口頭での確認のみ。
あとは仕事内容について。
警備といっても施設警備や雑踏警備などさまざまある中で、私の見つけた求人は高速道路での警備業務。
担当者の話によると、車が多く走る中で工事車両を出す作業があるという。
「精神的に負担がかかりますが、大丈夫ですか?」
そんな風に聞かれたと思います。
大丈夫ですか?と聞かれても、実際の現場を目にしていない状態ではイメージがつきにくく、「無理そうですね…」と答えるまでに至らなかったので、「大丈夫です!」と即答しました。それはもうハキハキとした口調で。後々泣く羽目になることも知らずに。ええ。
そうして電話確認を終えた後、面接の日取りが決まり本社へはせ参じることとなりました。
ちなみに警備業に携わる人はほとんどが男性のようで、女性は圧倒的に少ないようです。
面接で脅しをかけられる
人手不足の警備業だから、よっぽどヘマをしない限り採用されるのではないだろうか。
と余裕綽々で構えていたんですが、応接室に現れた社員を見て背筋がピーンッと一気に伸びましたよね。
電話で応対してくれた人とは違う方が登場されたのですが、いかにも上層部に君臨していますというような風貌。どことなくホスト風味、組の幹部的な見た目を醸し出していて早々に圧倒される。
高速道路で警備をするにあたり、どんな危険やリスクがあるかを聞かされました。
「周りはオジサンばっかりだよ。イイ男いないよ」
「高速では毎日のように事故が起こる」
「職長の同僚が過去に亡くなっている」
「応募してくる人たちの中には背水の陣でやってくる人もいる」
「やると決めたからには、根性見せてくれないと困る」
それでもやりますか?
高速道路ですよ?
100Kmを出す車がビュンビュン真横を通る中でアンタ旗振れるんですか?
そう問いかけてくるわけです。
当初抱いていたイメージとはずいぶんかけ離れた次元にいました。
真っ黒に日焼けしながらだるそうに棒を振るオジサンは消え去り、高速道路という危険な場所で旗を振る人たちの姿がブワアーと浮かび…
私はこの時、なぜかその姿をカッコイイと思ってしまった。
だからこう答えました。
やります。
その後面接官は「書類が揃ったら電話して」と言い残して立ち去り、面接は終了。あれ?合否は?と戸惑いつつ、言われたとおり書類を用意して、気づいたら研修が始まっていました。
警備業を始めるにあたり、絶対必要になるのが30時間の研修です。
この研修については次回また。