【牧場生活】牧場で住み込みで働くって実際どうなの?

会社を辞めてから、なんとなくのんびりしながら仕事したいなぁ…と思い、求人を眺めていたところ発見した「牧場で住み込み」の文字。
1か月前、人生で2度目の牧場へ旅立つことにしました。

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以前体験したボラバイトではなく、アルバイトという形。場所は長野!

動物は牛、馬、ひつじ、ウサギ、豚などの家畜がいましたが、メインは牛と馬のようです。

生活費は1日1500円かかりましたが3食つきだったので食べるものには困りませんでした。

牧場ってどんなことするの?

牧場の住み込みって結構ありますけど、実際どんな仕事内容かはわからないですよね。牧場によって内容は変わると思いますが、動物に合わせた時間帯で働くことになります。

 

1日の流れ(私が行った牧場の場合)

6:30 餌やり

7:00 朝食

8:30 作業

12:00 昼食

13:00 作業

18:30 一旦終了

20:00 餌やり

 

私が担当したのは馬だったので、数回にわたって餌やりがありました。その時間に行って餌や水をあげるだけなので30分程度だったのですが、まるっと1日は牧場内で拘束されます。

作業は馬の部屋(馬房)の掃除、馬の出し入れ、運動、他の動物たちの世話…などなどありましたが、平日はお客さんも少ないので非常にゆったりとした時の流れです。

体験できるイベントとして引き馬をやっていましたが、GWや夏休みのような期間以外は参加者も少なく、ほとんど世話と掃除が中心でした。

牧場の仕事ってハード?未経験者でも可能?

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求人をみていると「未経験者歓迎!」と書かれているものが殆どです。牧場は慢性的な人手不足なので、ハードルは低いと思われます。初めの電話対応がきっちりできていればだいたい雇ってもらえるのではないでしょうか。

牧場暮らしに憧れていても、実際の仕事がどんなものかイメージできない人も多いと思います。

動物を扱う仕事なので、未経験者はいろいろ大変かもしれません。動物への接し方や、動物の生態など1から学んでいかないといけませんから。動物が好きで、学ぶことを楽しいと思える人であれば、毎日充実するかと思います。

体力的にもそこまで重労働は求められません。動物たちが食べる餌(30kgくらい)を運べれば大丈夫です。

ただ夏場は暑いですし、冬場は寒いです。雨が降ろうが雪が降ろうが動物たちの世話は毎日こなさなきゃならないので、部屋の中で仕事したい人には不向きでしょう。

匂いや汚れなどを気にする人もいるかもしれません。

動物たちの糞が臭いといっても、彼らは基本草しか食べないので人間の糞の方がよっぽど臭いです。初めは気になっても毎日仕事をしていればそのうち慣れて、子供たちが「くさいくさーい」と騒いでいても全く何のことかわからなくなります。

それから家畜を相手にするので汚れは回避できません。たまに糞が飛んで来たりすることもあるでしょうし、作業着が動物たちの毛でまみれることも日常茶飯事です。

「汚れるとか無理―」って人は、牧場生活は諦めてください。

牧場生活のメリットとデメリット

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はっきり言って牧場は別次元だと思った方が良いです。俗世界とはかけ離れた世界が広がっています。

果てしない草原や、連なる山々や、満天の星空など、都会では見られない景色と毎日出会えます。とはいえ毎日見ていれば慣れていきます。

どんなメリットやデメリットがあるのか、個人的に感じたことをあげてみました。

 

牧場生活のメリット

  • 極端な俗世との切り離し
  • シンプルな暮らし
  • アットホーム
  • 職場が目の前
  • お金が貯まる?
極端な俗世との切り離し

物が溢れ返った世界から解き放たれたい方にはぴったりの環境です。なぜなら牧場は僻地が多く、近場に何もないからです。
何もないのが良い所なのです。生活用品を揃えることすら難しいほど、近場に店がありません。牧場に自家用車を持ち込める人であれば買い物にも行けますが、足がない場合は徒歩で移動します。ちなみに私のいた牧場は2km先にコンビニがある程度でした。一緒に働いていた仲間たちに休みの日の過ごし方を聞いたら、「コンビニへ行く」と言っていたくらいです。そう、唯一の楽しみが「コンビニへ行くこと」になるのです。今やどこにでも溢れているコンビニですが、牧場生活を始めるとコンビニのありがたみを実感するのです。

シンプルな暮らし

普段時間に追われるような生活をしている人には、牧場でのシンプルさがたまらないでしょう。

毎日動物たちの世話をして、ご飯を食べて、寝る。それくらいしかすることがないのですから。毎日早寝早起き、とっても健康的な生活を送れます。

アットホーム

牧場で働く人の多くは同じ住み込み仲間です。年齢は幅広いですが、10代から20代の人が多いでしょうか。年齢に差はあっても、よほど人見知りでなければ1週間もあれば家族のような親しみが生まれます。

私のいたところは休憩所にみんなが集まって食事をとります。みんな親切にいろいろと教えてくれるので、牧場生活でのルールやマナーなども自然と身についていくようになります。

職場が目の前

住み込みの醍醐味は、出勤時間0分なところです。部屋を出るのは作業開始の5分前でいいのです。15分前行動なんかしてたら、1人で待ちぼうけです。ギリギリで良いのです。
仕事でヘロヘロに疲れてしまっても、すぐに寮へ戻って休むことができます。

お金が貯まる?

なにせ店が周りにありませんし、3食付の住み込みであれば特にお金を使う必要がないので、ひたすら貯まっていきます。私の場合、コンビニへ行くのも往復で40分ほどかかったので、それすら面倒くさいと思えば財布を出す機会はどんどん減っていくでしょう。

じゃあ必要なものはどうやって揃えるのかといえば、通販です。かつて北海道の牧場で働いていた時は、あまりの娯楽のなさにゲーム機を買い、牧場生活で痩せたために服を買い、結果さほどお金は溜まりませんでした。娯楽を求めなければ貯金はできます。

牧場生活のデメリット

  • 潔癖症やコミュ障の人間は難しい
  • 環境の変化が大きい
  • 賃金の安さ
  • 休みが少ない
 潔癖症やコミュ障の人間は難しい

私のいった牧場は敷地内に寮がありました。部屋の中には机とベッドと布団と暖房器具、ハンガーなど前の住人が残していったものなど。テレビはなく、風呂とトイレ、洗濯機は共用でした。

壁や床には謎の茶色いシミ、布団からは誰のものかわからない長い髪の毛がぶら下がっている。これは潔癖症の人だったら無理なんだろうなぁと。

私は自分で布団を持参していったので、それらの布団を使うことはなかったのですが、誰が使ったかわからないものを使うということに抵抗を感じる人は、非常に居心地の悪い空間かもしれません。

共有スペースは汚れていたら掃除をするのが暗黙の了解です。トイレや風呂場を掃除できますか?排水溝に詰まった毛の束を掴めますか?

そして同じ寮で生活する人たちもいるので、当然顔を会わせたら挨拶をします。 いつどこで鉢合わせるかわかりません。アパートの隣人とは違います。無言でいれば印象も悪くなるでしょう。極端な人見知りでは相当辛い環境となる可能性大です。

環境の変化が大きい

不自由のない都会暮らしをしていた人の場合、牧場生活とのギャップに戸惑うかもしれません。何でも揃う世界から、何もない世界へトリップするわけですから、最初は大自然の風景に浮かれていても、徐々に辛くなることも考えられます。

賃金の安さ

牧場は正社員で雇ってくれるところもあれば、アルバイトやパートといった形態のところもあります。ちょっと牧場で働いてみたいな…と思っている人は、だいたいアルバイトになるかと思いますが、はっきり言って日給は安いです。

私がいたところは日給7500円でした。そこから1日1500円の生活費を引けば、実質6000円ということになります。実際に働いている時間から時給を割り出してみたら、645円でした。

働いているのだからお金はどうでもいい!というわけにもいかないけれど、あまり日給のことは考えない方がいいです。割に合わない…とか思い出したら仕事が辛くなるだけです。

それにメリットにも書いたように、食事つきの牧場であれば食費は浮きますし、光熱費や水道代などもないので、娯楽に手を出しさえしなければお金は貯まります。

休みが少ない

牧場では週休2日とかいう概念はありません。ちなみに私は週1の休みでした。日給なので働けば働いた分だけ稼げることもあって、それ以上の休みは希望しませんでしたが、希望があれば休むことも可能でした。

たまの休みがあってもすることが殆どなく、コンビニへ行くか、部屋で寝るか、牧場内を散策するくらいだったので、休みがないことへの不満はなかったです。ちなみに牧場を辞めるまでの2週間は休みが一切ありませんでしたが、出勤時間が0分なせいか疲れは溜まらず、意外とこなせました。

月に3、4回程度の休みが少ない!体力が持たない!という方は、辛いのでは~思われます。

牧場生活で必要なもの

住み込みをするにあたり、用意しなければならないものがあります。生活用品です。シャンプーや洗剤などの消耗品や服は事前に買い揃え、牧場に送っていました。段ボール2箱で配送料は3000円ちょっと。だいぶかかりましたね。

それから作業服は支給されないので、自分でツナギや長靴を揃える必要もありました。それらを考えると初期費用が結構膨らんでしまったような気もします。

ちなみに牧場生活で持っていったものは、

必要最低限を目指していたので、本当に必要だと思うものしか買いませんでした。が、実際に生活をしてみて買い足したものもあります。

  • 電気ポット
  • 爪切り
  • 手袋
  • コップ、スプーン、箸、おわん

部屋でお湯を沸かすことができれば、コーヒーやカップラーメンを食べることができますね。あとは爪切り!そして掃除などで使うゴム手袋!

それから牧場のある場所はだいたい朝・晩がとてつもなく冷えます。私が居た場所は山だったので、それはもう寒かった。出発したのが4月へ入ってからで、地元はぽかぽか陽気が続いていたために、半そでばかりを用意してしまいましたが、5月上旬で帰るまでの間に1回も袖を通すことはなかった。

もう春だと思っていたのに、長野はまだ冬だったんですね。雪もちらちら降っていたし、部屋では毎日ストーブを炊いていました。行く場所の気温なんかは調べておくと良いです。

あとは自分の食器です。3食つきなのだから食器はいらないのでは?と思うでしょうが、たまに提供されるもの以外の食を求めたくなる時があるのです。

牧場の3食付きって具体的にどんな食事?

3食つきなら食べ物に困りません。好き嫌いがない人なら尚更、ありがたい環境だと思うでしょう。しかし毎日何が提供されるかはわかりません。

よくありますよね、その日の献立をみて「今日はいらなーい」みたいなこと。でも住み込みをしている場合は、好みじゃないからいらないなんてことは許されません。だって食べない料理は全部捨てられてゴミになってしまうからです。出されたものは何でも食べなきゃならない。

もちろん、食事がいらない場合は事前に伝えておけば作られることはないのですが、献立によって決めたい!という時も…やっぱりあるんですね。贅沢な話ではありますが。

私の牧場では、朝は毎日同じメニューでした。目玉焼きとサラダ、ウィンナーと漬物、たまに焼き魚、あとは白ごはんと味噌汁です。昼はピラフだったり、パスタだったり、ピザだったり。夜は比較的ボリュームの多いメニューで、焼肉だったりすき焼きだったりおでんだったりしました。

牧場生活は痩せるか?

以前ボラバイトで牧場にいた時、1日2回の搾乳作業と貧相な自炊を続けていた結果、痩せた経験があるので、今回も痩せるのでは?とひそかに期待をしていました。

しかし聞いた話によると「この牧場へ来て痩せた人はいない」と断言されました。

おそらくエネルギー量の多い食事にあるのではないかと推測します。

ある晩のメニューは、コロッケとおでんとすき焼きという、とてもダイナミックな組み合わせでした。その時私はこの食事をずっと続けていたら痩せるどころか太るな…と察したのです。

食事がいるかどうかは自分で決められますが、何も食べない状態で仕事を続けることは不可能です。そのために私はマイ食器を揃えて、通販でローカロリーな食材を買い、夜ごはんは自炊をしていました。

住み込み生活での苦労、楽しみ

生活費が1日1500円かかるとはいえ、食事もあって寝るところもあるわけですから普通の暮らしには何の問題もありません。

とはいえ共同生活ですので、自分が風呂に入りたいタイミングで入れないことも多々あります。洗濯も洗濯機が空くまで待っていないといけません。

そして古いタイプの寮だとトイレが水洗じゃない場合があります。私のところも今や珍しいボットン便所でした。入居者が多いと匂いも強いです。

住み込み生活での楽しみは、やはり人との出会いでしょうか。いろんな人がいます。何十年も牧場で働いている人や、期間限定で働いている人、貯金を目的にやってきた人。

そういった人たちの出会いはなかなか刺激になります。また長く働いていれば、辞めた後も遊びに行けるし、懐かしい思い出話に浸れたりもします。

帰る場所が増えるといった感じでしょうか。そのあたり、牧場は寛容なことが多いです。常に人手が足りていないので、「またちょっと働きたいんだけどもー」と電話をかければ「いいよ」と返事が返ってくる気軽さです。

 

すべての牧場が上記に当てはまるわけではありませんが、「牧場での住み込みってどんな感じなんだろう」と気になっている方の参考になればと思います。