ボランティアとボラバイトで『ボラバイト』は今も健在だった話。その2

ボラバイトの体験談その2をお伝えします。

ここでは、

  • 牧場での仕事内容
  • 牛たちの洗礼
  • ボラバイターとしての立ち位置
  • 祭りといえば焼肉 

の4本でお送りします。

 

pigeonmilk.hatenablog.com

 

牧場の仕事内容

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私のボラバイト先は乳牛を扱っている牧場でした。主な仕事内容はこちら。

  • 掃除(フン掃除、ワラを敷く)
  • 搾乳(約80頭の牛)
  • 仔牛へのほ乳

こうして書くとシンプルですね。でもやることは掃除と搾乳がメインでした。餌はなんとハイテクな機械が自動で配っていくんですよ。この機械のおかげでかなり仕事が楽になったそうです。確かにそうだ。

私たちボラバイターは朝5時半くらいに起床し、6時から仕事につきます。これでも遅い方です。もっと早起きが必要な牧場もあります。たぶん牛の数で変わりますね。

フンの掃除もして、新しいワラを敷いて、きれいになったところで搾乳開始です。
その前に必ず一服する時間があるんですが、支給される飲み物はジョージアの缶コーヒーでした。これが甘くておいしい。

搾乳はミルカーを使ってテンポよく行います。薬を使用している牛は乳が取れないので、おしりにカラースプレーで「×」が書かれているんです。その牛を間違って絞ってしまうと一巻の終わり。

80頭を絞るのに、3人で2、3時間くらいでしょうか。11時くらいに1回目の搾乳が終わっていたと思います。

それから昼休憩を挟み、夕方から2回目の搾乳開始。で、8時くらいに1日の仕事が終わります。

牛たちからの洗礼

牛舎に行ったらまず掃き掃除から始めるんですが…初めは牛たちがすっごくガン見してきます。「誰だこいつ」という視線を浴びせてきます。オーナーの話によると、牛も人の顔を覚えるので、見知らぬ顔がくるとめっちゃ見るんだそうです。

牛たちが顔を凝視しなくなったら、それはもう慣れたということ、だそうで…。ずらりと一列に並んだ牛たちが一斉にこちらをガン見するのはね、なかなか迫力がありますよ。でもかわいいです。

初めて牛を間近に見た時の感想は「でかい!」でした。体重は700キロから1トンだそうで、大きい動物だとは知っていましたが、イメージよりも数倍大きかったという印象。

牧場の牛たち、その実態

牛と普段から接しています~という人もそんなにいないかと思いますので、牛の魅力についてお伝えしたいと思います。

  • しっぽで平手打ちを食らう
  • かまってちゃんがいる
  • 足を踏まれると目から星が飛び出る
  • 髪を引っ張られる
  • しっぽの付け根に弱い
  • 搾乳嫌いは全身全霊で挑む
  • 油断すると骨折する
しっぽで平手打ちを食らう

牛といえば長いしっぽですよね。これは寄ってくるハエなどの虫を追い払うためのものですが、時々タイミングが悪いと頬に当たることがあります。それがもうムチで叩かれたように痛いので、しっぽには十分気をつけなきゃいけません。

かまってちゃんがいる

牛も性格があって、人懐っこい子もいます。じーっとこっちを熱視線を送っては、わざとミルカーを取っていたずらしてみたり…かまってちゃんアピールがすごいです。かわいすぎて仕事にならないので注意が必要です。

足を踏まれると目から星が飛び出る

1トン近くある体重ですから、足を踏まれた時の痛さは尋常じゃありません。目から星が飛び出るってこういうことを言うんだなと思いました。幸い怪我はありませんでしたが、牛舎に入る際は足の置き場に気を付けてください。

髪を引っ張られる

ポニーテールのように結んでいると、牛に背中を向けた瞬間、毛の束を嚙まれることがあります。そのまま引っ張られます。引きちぎられるんじゃないかと思うくらい強い力です。本人からすれば遊んでいるつもりなのでしょうが、恐ろしいことこの上ない状況ですので、常に牛を意識するようにしましょう。

しっぽの付け根に弱い

犬や猫は撫でられると喜んでくれますね。牛もなでなでポイントがあります。しっぽの付け根です。付け根をガシガシ撫でてやって、しっぽがフワァ~と上がったら「気持ちいい」のサインです。
搾乳を嫌がる子はしっぽをガシガシするといいでしょう。

搾乳嫌いは全身全霊で挑む

素直に搾乳させてくれない牛も中にはいます。ミルカーをつけようものなら、あのぶっとい足を上げてひたすら抵抗してくるのです。危険です。足が上がらないように抑えながらミルカーをつける必要があります。
その時、関節を抑えるといいのですが牛の力は強いので生半可な力では吹き飛ばされるでしょう。
そのため、全身を使って足の関節を抑え、ミルカーをつけます。ミルカーは通常乳首の場所を確かめながら付けますが、関節技を決めている間はそんな余裕もないので、手の勘だけで装着しなければなりません。とっても熟練した技術が必要であり、初心者にはまず無理なので、オーナーに任せましょう。

油断すると骨折する

牛舎の牛と牛の間は狭いです。1頭の牛に気を取られている間に、もう1頭の牛が座ってしまい、体が押されたり下敷きになったりすることがあります。
実際に牛の体に踏まれたか、押されて転んだりして、骨折した人がいたそうです。しかも1人で牛舎にいたので助けを求めることもできず、床を這って何とか牛舎から脱出したのだとか…。牛の世話をする時は1人で行わない方が良いですね。

ボラバイターとしての立ち位置

ボラバイターは周辺の牧場へ挨拶周りに行ったりします。
「今日から実習生としてきた○○だ」という風に紹介されるわけです。

それから雇い主のオーナーは親方とは呼びません。「お父さん」と呼びます。奥さんのことは「お母さん」です。これは働き先によって違うと思いますが、私のいた牧場ではそう呼んでもらいたいとのことでした。ええ。

小さい町なので、知らない顔が町をうろついているとすぐ噂になります。そして知らない間に私の正体がばれていたりします。悪さはできないということですね。

祭りといえば焼肉

ボラバイターとして仕事をしている間、町の集会や祭りなどいろいろな集まりに参加することがありました。その時、必ずといっていいほどメインになるのが焼肉です。もちろん牛肉。

さすがは牛の町!といった感じはありますが、毎日世話をしている牛たちを思いながら食べる焼肉は、命のありがたみをひしひしと感じる時間であり、後半には「もう焼肉はいいかな」という気分にさせられました。

 

その2はここまで!

次はボラバイターという道を選んだ人たちについて、お話したいと思います。