ボランティアとバイトで『ボラバイト』は今も健在だった話。その1

ボラバイトという言葉を知っているでしょうか?

ボランティアとアルバイトを掛け合わせた造語で、牧場や農家に住み込みながら働くシステムのことです。

ボラバイト公式サイト

専門学校を卒業した後、まだ就職先が決まっていなかった私は、焦りに焦った結果、「ここではないどこかへ行きたい」と現実逃避思考に突入し、ボラバイトに応募しました。

選んだ先は北海道。(人は人生に迷うと北へ逃げたくなる傾向にあるらしいです。ちなみに兄は迷走したあげく青森へ逃亡を図り、父に捕獲されました)

漠然と牛のいる牧場に働いてみたいという思いから、ボラバイト先を調べて、「猫がたくさんいる」という文句に惹かれて、ある1つの牧場で働くことを決めたのです。

最北の地までの道のり

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ボラバイト先は北海道の豊富町というところにありました。あまりメジャーな町名じゃないですね。稚内の隣というと何となく位置がわかるかと思いますが、とにかく北です。

まずはそこへたどり着くまでの道のりが尋常ではないほど長かった。当時はお金がなかったので、飛行機なんてものには乗れず、フェリーでの移動です。所要時間18時間という、ほぼ1日船内で過ごし、明け方に小樽に到着しました。

そこから始発に乗って札幌へ。

札幌から豊富まではなんと4時間半!

北海道は新幹線がないので、移動の時間がハンパなかったです。

やっとたどり着いた豊富町の駅は、いかにも田舎な駅でした。といっても私の地元もそこまで都会ではないので、これといった新鮮味もなく…。

お世話になる牧場のお母さんが出迎えてくれて、まずはご飯を食べにいったと思います。

その後牧場へ移動して、私の人生初となる北海道1人暮らしが始まったのでした。

水道代、電気代、家賃なし!風呂付トイレ別の1LDK

 

ボラバイトは住み込みなので、雇い主が働き手(ボラバイターというが実習生や研修生といわれたりもする)の家を提供してくれます。

その家は敷地内にあったんですが、1人で住むにはもったいないくらいの広さで、立派なものでした。1LDKの部屋が2つ並びになっていて、1人ずつ暮らせるようになっているんですが、その家を建てるのに1000万かかったと言っていましたね。

雇い主のお家はもっと豪邸だったんですが、それもすべてキャッシュで支払ったと…。牛屋は儲かる!でも休めない!

そんな身に余る部屋を与えられ、しかも家賃も水道代も電気代もいらないと…ただし、燃料費だけは自分持ちでした。ガス代ですかね?(曖昧)あと従業員用の車があったんですが、そのガソリン代も負担しました。

ボラバイトの目的はお金ではない、と公式サイトにあるように、日給は大変お安めです。私の時は確か3000円くらいだったように思います。

給料は安い、でもかかる費用は燃料費と食費だけというわけで、とくに問題なく暮らすことができます。

ボラバイトでお金は貯まるのか

ボラバイトの目的はお金ではない、と先ほども書きましたが…毎日普通に働いて、無駄遣いをしなければ貯まります。実際ボラバイトでお金を貯めて車を買った人もいるそうです。

なにせ働く場所は人よりも牛の数の方が多いような場所なので、娯楽が少ないんです。大きなスーパーやデパートに行きたかったら、車で1時間かけて隣町まで行かなきゃいけないですから。

じゃあ私は貯まったのかといったら…NOです!周りに一切娯楽がないというのが裏目に出たパターンです。

娯楽がないなら、娯楽を作ればいい!という考えで、手を出しました。ハイ、ゲーム機です。隣町まで行ってニンテンドーwiiを買いましたね。もちろん部屋はテレビ付きなので、ゲームもやりたい放題です。

ゲーム以外だと、洋服代に消えました。というのも牧場で働き始めてから、いつの間にか体重が減っていたんですよね。その結果、それまで入らなかった服が入るようになり、物欲に火が付き、お高いブーツや服を通販で買い求める日々。

このように常に散在していたので、車1台買えるほどのお金は貯めることができませんでした。

だけどきっと余計な買い物をしなければ、ある程度お金は貯金できるはずです。

 

私がボラバイトをしていたのは、5月から12月半ばまでの間でした。この間にどんな仕事をしたのか、どんな仰天ニュースがあったのかなどを、この後も綴っていきたいと思いますー。